介護保険制度の誕生で何が変わりましたか?

高齢者に対する介護サービスを1本化しました。

介護保険制度の誕生以前にも、公共性の高い高齢者に対する介護サービスは提供されていました。
社会福祉法人や自治体は、老人福祉法に基づいてデイサービスセンターや特別養護老人ホームといった福祉施設で高齢者を受け入れ、医療法人は医療保険法などに基づいて病状の安定した老人を老人病院などに受け入れていたのです。
しかし医療と福祉の縦割りでバラバラにサービスが提供されているために、サービス利用時の負担に不公平が生じ、医療サービスの不適切な利用も起こっていました。
そこで介護保険制度を誕生させて、高齢者に対する福祉と医療のサービスを一体的に提供するようにしたのです。

民間企業もサービスを提供するようになりました。

介護保険制度の誕生で大きく変わったのは、民間企業やNPOも介護サービスを提供できるようになったことです。
2000年以降、多くの民間企業が参入したことで、日本において介護サービスはより身近なものになりました。
ただし民間企業によるサービス提供が認められた後も、自治体が指定介護サービス事業者(介護保険給付対象事業者)を指定することで、事業者の質を担保しています。
また、厚生労働省が介護サービスの種類と範囲、要介護度に応じた利用限度額を定めることで、サービスの提供が過剰にならないように調整しているのです。

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