介護保険制度を導入した狙いは何ですか?

利用者が自らサービスを選択できるようにすることです。

介護保険制度が導入される前、高齢者への介護サービスは措置制度と呼ばれるしくみで提供されていました。
措置制度では、サービスの利用を申し込んだ希望者に対して、市町村などの措置権者が必要性を判断し、提供するサービスの種類や提供施設を決め、社会福祉施設に入所させたり、サービスを提供したりします。
そのため、利用者はサービスや施設などを選ぶことができませんでした。
このように措置制度では利用者の意向が尊重されにくいことから、介護保険制度では契約制度(利用制度)でサービスが提供されるようになっています。

介護サービスの世界にも競争原理が持ち込まれました。

措置制度でサービスを提供するのは市町村が運営する施設や委託した施設なので民間企業のような競争原理が働かず、サービスの質が向上しにくい状況になっていました。
一方、介護保険の契約制度では、サービスの利用にあたり、利用者が指定介護サービス事業者を選び、選ばれた事業者が利用者にサービスを提供します。
その結果、利用者は自らの選択に基づいてサービスを利用できるようになりました。
つまり、民間企業の参入によって選択の幅が広がったことで、介護の世界にも競争原理が持ち込まれたのです。

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